[幽霊遭遇] 1991年 廃墟で引きずられる

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19歳、1991年の出来事。

この件の「トラ」、この件の「薫さん」、薫さんの友達(?)「山口さん」と私で
福岡県・糟屋郡の某心霊スポットへ行った時の遭遇。

夏、時刻は深夜。


某心霊スポットを散策し終わり、廃墟の前で話をしていた。

懐中電灯は消していたので
タバコの炎だけが、暗闇で光っていた。



「キャッ」
薫さんが小さな悲鳴を上げた。
  
懐中電灯を点け、薫さんに向けた。

薫さんの体は、若干後ろに反り気味にしゃがみこみ
右腕を後ろの中空に挙げていた。

何をやっているのだろう?
 
「大丈夫?」
誰かが声を掛けた


助けて

薫さんが叫んだ。


薫さんの体は、徐々に後ろに反っていっている。
やっと、異常な事態だと気付いた。

山口さんが「えっ?えっ?」と言いながら
体の後ろに周り、前に押そうとした。

体が斜めを向くだけで、薫さんを起こせない。

山口(? 薫)さんが叫んだ
「腕引っ張られてる!」

直後、薫さんの体は後ろに、勢い良く倒れた。

「痛い痛い痛い!」
薫さんが悲痛な叫びを上げた。



ずりっ

薫さんの体は、廃墟の方に引きずられた。

「やべえ」
トラが足に乗った。

山口さんが、体の上に乗った。
私は、腕を掴んだ。

とりあえず、引きずられる事は止まった。


薫さんは右腕を中空に伸ばしたまま
「嫌!嫌!」と悲痛に叫んでいる。


5分か、10分した後
突如、 薫さんを引っ張る力が抜けた。

私達は、薫さんを抱え、車に乗り込み
その場を逃げ出した。


薫さんの腕には、2つの手形がしっかりと付いていた。



所感

薫さんはTシャツだったので、肩の所を擦りむいていた。
心霊スポットに行くときは、長袖、上着、軍手、できれば安全靴を着用が望ましい。 
注意書き:
可能な限り記憶に忠実に記述しています。
しかし、公開するものであること・記憶の劣化に伴う次の事柄をご了承ください。
(1) 記録であるため、「物語的な結末」は期待できません。
(2) 記事中の写真・地名・人名・店名など、全ての名称は実際のものとは完全に変えてあります。
(3) 人との会話は正確に覚えていない事が多く、その殆どは「こんな感じの会話」です。
(4) 日付を覚えていないことが殆どですので、記録の日付は適等です。
(5) (?)マークの付いた表現は記憶が曖昧であることを意味します。

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