[幽霊遭遇] 1993年 友達に憑依

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21歳、平成5年の出来事。

当時、「トラ」という愛称の悪友と、いわゆる心霊スポットを廻って楽しんでいた。

 よくある怪談

「○○山の火葬場の側にある電話ボックスに、若い女性の霊がでて
家に帰りたいと電話している。」

そのような「いかにも」な話をトラが仕入れてきた
電話ボックスへ到着したのは、日を超えた(?)あたり。


電話ボックス

その電話ボックスは、ゆるやかな上り坂の2車線の道路沿いにあった。
 確かに、道路を挟んだ反対側には火葬場と思しき建物があった。

街路灯は無く、電話ボックスからの明かりがボンヤリと周りを照らしていた。
私達は、電話ボックスの横に車を止め、エンジンとライトを切った。

私は、元の話が「よくある話」なので、遭遇するとは思っていなかった。


コン・コン

突然、車の後方、トランクの方から音がした。
ゲンコツでボディを軽く叩くような音。

はっと周りを見渡した。誰も居ない。

コンコンコン。
また叩かれた音がした。

「これは違うんじゃないか」という会話をした。

その直後

バン!
極端に大きな音が鳴り響いた。
二人とも声を上げた記憶がある。

バン!バン!
また叩かれた。

バン!バン!バン!…
音は止まらなくなった。

バン!バン!バン!

音がフロントのボンネット側、トランク側、両方から鳴り出した。

雹が当たっているかのような、凄まじい音になった。


私達は、その場から逃げ出した。
トラは怖いと言いながらも笑っていた記憶がある。

明るい場所まで逃げてきて、車を止めた。
車をよく調べたが、よくある「手形」などは見つからなかった。



それから7日間

翌日、
トラが、「面白かったから、また行こう」という。
また向かった。何も起きなかった。

翌々日、
トラが、「また行こう」という。
何がそんなに面白かったか判らないが、ハマったらしい。

何も起きなかった。

4日目
トラが、また誘ってきた。
「飽きたので、他にしよう」と答えると、トラが怒りだした。
今思えば、 気の短い方ではあるが、そんな事で怒るヤツじゃなかった。

トラは怒りながら、帰っていった。

5日目、
トラは、現れなかった。

6日目、
トラは、現れなかった。

心配になって、トラの家に電話してみた。
電話に出なかった。

7日目、
トラから電話があった。
「しばらく実家に帰る」そう言った。

どうしたか問い詰めたが、「体調が悪い」としか言わなかった。



後日

しばらくした後に、トラは元気そうに現れた。

トラの話によると
あの翌日から、あの場所に無性に行きたくて仕方がなくなった。

5・6日目は、実際に一人で電話ボックスへ行った。
7日目の朝に「危ないと思ったから、電車で実家に帰った。」

憑かれて居ないかを、トラが聞いてきたが
そんな事は判らないと答えた。


所感

憑かれたと思しきケースの為、記載した。

今思えば、テレビで見るような派手な憑依に発展せず救われた。

トラとは、それからも懲りずに心霊スポットめぐりをした。
その殆どは、何も起きなかった。

遭遇したケースは、また別に記載する。

注意書き:
可能な限り記憶に忠実に記述しています。
しかし、公開するものであること・記憶の劣化に伴う次の事柄をご了承ください。
(1) 記録であるため、「物語的な結末」は期待できません。
(2) 記事中の写真・地名・人名・店名など、全ての名称は実際のものとは完全に変えてあります。
(3) 人との会話は正確に覚えていない事が多く、その殆どは「こんな感じの会話」です。
(4) 日付を覚えていないことが殆どですので、記録の日付は適等です。
(5) (?)マークの付いた表現は記憶が曖昧であることを意味します。

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