[幽霊遭遇] 1990年 K子(3) エレベータ

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※この記事は、K子-(2)の後日譚となります。


それから、私はしばらくの間、K子さんの家に泊まるようになった。

お祓いに頼もうという話も出たが、
それにお金を使うなら、引っ越したいという話になり流れた。

結局、お祓いもせず、引っ越しもせず
最終的には、その状態で落ち着いた。


K子さんの家の怪異に付き合っている間に
このビルでもう1つの怪異に遭遇した。


時間は夜ということしか覚えていない。



場所

エレベータ付近を図示する。


各階が、このような構造となっている。

エレベータは、扉にガラスが嵌めこんであり。
外が見えるタイプである。

非常階段には電気がついておらず、非常に暗い。
真っ暗と言っても差し支えない。

私はエレベータに乗り1Fを押した。




4F

図の赤い箇所から、横向きに顔と肩を出して、こっちを見ている人が居た

体の角度が斜めではなく、ほぼ横という状態である。
手は2つとも壁に掛けている。

男性であることは解るが、暗いため輪郭がハッキリしない。
手は壁にかかっているが、体と顔は少し奥まっている。

ゾッとしたが、霊とは思わず、変質者だと思った。


3F

4Fと同じ位置、体の角度、まったく同じ人がそこに居た。

なんだろうこいつ、そう思って、観察するように見てしまった。
目がハッキリ見えた。

非常に痩せている、病的とも言える痩せ方だ。
「枯れ枝」というに相応しい感じだ。

それは私を見ていた。
私も、見えなくなるまで、それと目を合わせ続けた。

とは言っても、1秒か2秒程しか、見合う事は出来ない。



2F

すぐに、エレベータのガラスに張り付くようにして、下を見つめた。
黒い壁の下の方から、2Fのエレベータホールが見えてきた

その段階で既に、壁に手が掛かっているのが見えた。

明らかにおかしい。3Fでギリギリまで見ていた。

それから、2Fの非常階段に掛かった手が見えるまで
長くとも5秒くらいのはず。

そんなに早く、階段を駆け下り、あの無理な体制をとれるのだろうか。

それは既ににこっちを見ていた。
私も最後まで、それを見つめた。

エレベータがこれ程遅いと感じたのは、この時だけだ。



1F

私は全力でビルから出た。

用事が済んでも、しばらくビルに戻らなかった事を記憶している。
非常階段で登るにしても、エレベータで登るにしても、逃げ場所が無いのは怖い。




所感


戻るときには何(誰)も居なかったので
これが霊なのか、変質者なのかは、未だはっきりしない。

変質者だとすると、あまりにも機敏なので
霊じゃないかと思っている。

いや、機敏な変質者が居ないわけでは無いだろうが。


K子(4)へ続く。

注意書き:
可能な限り記憶に忠実に記述しています。
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(1) 記録であるため、「物語的な結末」は期待できません。
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(3) 人との会話は正確に覚えていない事が多く、その殆どは「こんな感じの会話」です。
(4) 日付を覚えていないことが殆どですので、記録の日付は適等です。
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